導入事例

Gemini Enterprise で開発設計の負担を軽減 Confluenceなど複数データソースからテストケースを生成

株式会社マイクロアド導入事例

お話を伺った方

システム開発部 酒井 真章 様、飛田 圭希 様

お客様の課題
  • ・Confluenceに蓄積された膨大な仕様書の中から、関連する情報や該当箇所を探し出すのに時間がかかっていた
  • ・仕様書や要件を基にしたテストケース作成に多くの工数を要し、担当者の負担が大きくなっていた
  • ・過去に検討・利用した他の生成AIツールでは、テストケース生成などで実務に使える精度が得られなかった
課題解決の効果
  • ・Gemini Enterprise の導入により、テストケース作成にかかる工数を約25%短縮(平均2日→1.5日)
  • ・ConfluenceやSlackなど複数のデータソースを横断した検索・要約により、設計など開発の上流工程にかかる負担を軽減
  • ・テストケースの網羅性が向上し、確認作業における心理的な安心感が向上

株式会社マイクロアド様は、データとテクノロジーを活用したマーケティング支援を主軸に、広告配信やデータ活用領域で多様なサービスを展開するアドテクノロジー企業です。事業の特性上、迅速な意思決定と高い正確性が求められる開発体制を支えるため、同社のシステム開発部では日々、効率的かつ再現性の高い開発プロセスの構築に取り組んでいます。

仕様書や設計情報はConfluenceに集約されており、要件調整や仕様検討の過程ではSlackでのコミュニケーションも多用されるなど、情報が複数のツールに分散する中で開発が進められています。また、生成AIについても早くから関心を持ち、GitHub Copilot や自社LLM、Dify APIなどを用途に応じて使い分けるなど、エンジニア主導での試行が続けられてきました。

一方で、こうした取り組みの中で浮かび上がってきたのが、開発の設計工程における情報整理とアウトプット品質の課題です。仕様書の要約や該当箇所の特定、テストケース作成といった工程は、開発全体の品質とスピードを左右する重要な領域であるものの、工数や属人性の面で改善余地がありました。

2025年、同社はこれらの課題に対する一つの選択肢として、Gemini Enterprise(旧 Agentspace)を導入。生成AIの活用を通じて、開発の設計工程における負担軽減と作業の安定化を図っています。

今回は、システム開発部の酒井様と飛田様に、導入の背景や効果について詳しくお話を伺いました。

開発の設計工程における課題と Gemini Enterprise 導入の判断

株式会社マイクロアド様のシステム開発部では、Confluenceに蓄積された仕様書を起点に、要件整理や仕様確認、テストケース作成といった開発の設計業務を進めていました。しかし、長年にわたり蓄積されたドキュメント量は膨大で、必要な情報を探し出し、該当箇所を正確に把握するだけでも一定の時間と労力を要していました。特にテストケース作成においては、仕様理解の精度がそのまま品質に直結するため、担当者の経験やスキルに依存しやすい状況が課題となっていました。

「Confluenceには多くの仕様書が蓄積されていますが、そこから関連する仕様を要約したり、該当箇所を特定したりする作業に時間がかかっていました。また、それらの仕様を基にテストケースを作成する工程も、開発者にとって大きな負担となっていました。他のAIツールもいくつか検討したのですが、我々が求めるような精度は得られず、実務で活用するには至らないという状況でした」(飛田様)

こうした背景から、生成AIを活用した効率化も検討されていましたが、既存のAIツールでは出力精度や安定性にばらつきがあり、そのまま業務に適用することが難しいケースも少なくありませんでした。要約結果が実態とずれていたり、テストケースとしては不十分な内容が返ってくることもあり、実務で使うには調整が必要となる場面が多かったといいます。

Gemini Enterprise 導入の決め手となったのは、Confluenceと標準で連携でき、一定の品質が担保されたアウトプットを安定して得られた点でした。仕様書URLを指定することで関連箇所を参照し、要約や仕様特定、テストケース生成を行える点が、設計工程の業務フローに合致していると評価されました。

「他の生成AIツールも試しましたが、実務で使うには精度が足りないものが多く、結局は人が手直しする必要がありました。 Gemini Enterprise の場合、ConfluenceだけでなくGoogle ドライブやSlackなど、複数のデータソースを切り替えながら文脈を理解した賢い検索が可能で、データソース横断検索機能が有用でした。また、 プロジェクト単位で利用状況が明確になり、コスト管理がしやすい点も、決裁を進める上で重要なポイントでした」(飛田様)

Gemini Enterprise はユーザーごとにライセンスを購入するため、料金コントロールがしやすいのも魅力の一つです。

以上の理由から、開発の設計工程における実務支援ツールとして、Gemini Enterprise の導入が決まりました。

導入後の活用方法と導入効果

Gemini Enterprise は、設計など開発の上流工程を支援するツールとして活用されています。利用者はエンジニアを中心とした一部のメンバーに限られており、全社展開ではなく、業務内容や役割に応じて必要な範囲で利用する形が取られています。

活用シーンとして多いのが、Confluenceに蓄積された仕様書を参照した要約や該当箇所の特定です。仕様書のURLを指定することで関連情報を把握できるため、仕様確認やレビュー前のインプット作業の効率化につながっています。また、Slack上での議論内容や要件整理の結果を基に、テストケースのたたき台を作成する用途でも活用されています。

「仕様書やSlackでのやり取りをもとに、テストケースの案をまとめる作業で使っています。完成形を一気に作るというよりも、抜け漏れを防ぐためのベースを作るという位置づけです」(酒井様)

導入効果として分かりやすい変化が見られたのが、テストケース作成にかかる工数です。従来、関連作業を含めて約2日を要していた工程が、Gemini Enterprise の活用により約1.5日程度まで短縮されました。

「革新とまではいきませんが、開発速度は着実に改善しています。何より、テストケースの網羅性が上がったことは、精神的な安心感に繋がりました。複数のデータソースを切り替えながら使える点も便利だと感じています」(酒井様)

マイクロアド 酒井様
株式会社マイクロアド システム開発部 酒井 真章 様

このように、Gemini Enterprise は設計工程の作業を安定させ、品質を担保するための実務支援ツールとして位置づけられています。

NHN テコラスによる伴走サポート体制

Gemini Enterprise の導入および利用にあたっては、NHN テコラスが提供するサポート体制も活用されています。「Google Cloud 請求代行サービス」を通じて、導入後の運用に関する不明点や確認事項について、必要に応じて問い合わせができる体制が整えられていました。

実際の運用においては、機能仕様や挙動に関する確認、利用方法に関する相談などが発生する場面もあり、その都度サポート窓口を通じて情報提供や回答を受ける形で対応が進められています。特定の導入支援や運用設計を前提としたものではなく、利用を進める中で生じた疑問点を解消するための実務的なサポートとして活用されてきました。

こうしたサポート体制により、ツールの使い方や仕様理解に関する不安を抱えたまま利用を続けることなく、必要なタイミングで確認を行いながら運用を進められる環境が整っています。Gemini Enterprise を実務で利用する上での前提条件を整理しつつ、現場の判断で活用範囲を調整できる点は、継続的な利用を支える要素の一つとなっています。

今後に向けた課題と期待

今後の活用において、株式会社マイクロアド様が特に期待しているのが、GitHubとの連携強化です。現在はConfluence上の仕様書を中心に開発の設計工程での活用が進んでいますが、仕様書とGitHub上の実装を紐づけて確認できるようになれば、仕様と実装の差分確認や参照を含め、活用の幅が広がると考えられています。

「今後は、GitHubとの連携に期待しています。仕様書と実装を紐づけて確認できるようになれば、仕様通りに実装されているかをチェックしたり、参照しながら回答を得たりすることもできるはずです。設計を中心とした上流工程では十分に活用できていますが、下流工程で使うには、まだ弱い部分があるとも感じています」(飛田様)

「GitHub Copilotなど他の生成AIツールも進化していますし、一つのツールですべてを完結させようとは考えていません。その中で、Gemini Enterprise はとくに上流工程で強みを発揮するツールだと思っています」(酒井様)

マイクロアド様では、他の生成AIツールとも使い分けながら、開発工程や目的に応じたGemini Enterprise の活用を続けています。
NHN テコラスは、請求代行を含む各種サービスを通じて、マイクロアド様の生成AI活用が円滑に進むよう、今後も継続的に支援してまいります。

公開日:2026年2月17日

Google Cloud 請求代行サービスのご案内


サービス資料をダウンロード (無料)

株式会社マイクロアドについて

「Redesigning the Future Life」をビジョンに掲げ、データとテクノロジーでマーケティングを成功に導くデータプラットフォームカンパニーです。消費者の膨大な行動データを集約したデータプラットフォーム「UNIVERSE」を軸に、業界業種に特化した多様なマーケティングプロダクトを展開しています。

社名
株式会社マイクロアド
内容
データプラットフォーム事業を展開し、消費者の膨大なデータをAIで分析・ 活用したマーケティングソリューションを提供
設立
2007年7月
従業員数
383名

関連事例

関連カテゴリー

お気軽にお問い合わせください

03-6263-1715 (平日10:00-18:00)